ビジネス全般および旅行業界において国際的に認知されている試験準備に役立つソフトウェアを開発するレオナルドプロジェクトの第１期（１９９５〜１９９９）が終了し、現在、第２期（２０００〜２００６）が進められています。このソフトには、ＣＤ−ＲＯＭ版とオンライン版が用意され、５ケ国語（英語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、イタリア語）に対応しています。このソフトは、７つの言語（上記のほかにスロベニア語とハンガリー語）でアクセスすることができるようになっています。 

Promoticsとは何か 

　レオナルドプロジェクトによって語学の学習や授業に役立つツールとしてPromoticsが開発されています。外国語を勉強している学生に経済界および旅行業界を実際に知ってもらうために、Promotics Internationalという仮想の会社が設置され、スポーツ製品の生産・販売に従事し、英国、フランス、ドイツ、スペイン、イタリアに別々の会社を持つという設定になっています。 

研修者としての学生 

　学生は、新会社の研修者の役割を演じ、会社の本社を訪問し、数週間、会社の機能について学習することができます。学生は、新研修者として経営幹部、調達部、販売部、マーケティング部、人事部、受付等の関係部署に紹介され、各部署の責任者から仕事の詳細について講義を受けます。学生は、配属部署で働き、実際の日常業務に携わり、学習した事について定期的に試験を受けることになっています。 

　学生の業務は、２つのレベルで実行されます。

　レベル１は、会社の組織、仕事の内容、仕事の仕方を取り上げます。学生は、各部署の業務について学習し、定期的に試験を受けます。 

　レベル２では、実際に実務に携わります。各部署で働いている間、学生は、Tick-Tackプログラムで表現された仮想オフィスに入ります。学生は、日常業務で起こる各種の問題を扱わなければなりません。学生は、受信する手紙、電子メール、ファックス、電話、ボイスメール等を処理し、返事をしなければなりません。正に、実際の会社に入社した時しなければならない仕事の物真似をしながら、実習を受ける仕組みになっています。 

旅行部門 

　ここでは、旅行・観光業界について学びます。学生は、実務をこなすために、このプロジェクトのために特別に開発された新Tick-Tackソフトウェアを使用します。学生は、一部の時間を会社の旅行部門で、一部の時間をPromotics Groupに属しているホテルで費やします。ここで学生は、ホテルの支配人が毎日ホテルで起こる多くの問題を処理するのを手伝います。 

　学生は、問合せ、依頼、予約、不平などの処理を行い、ウェブサイトへのアクセス、スタッフ広告の作成、手紙、ファックス、電子メール、電話、ボイスメールに対する返事等の業務をこなさなければなりません。 

Promoticsを使う先生の研修 

　そのほかに、Promoticsプロジェクトには、プログラムの使用法について先生の研修を行うために非常に洗練されたインターネット学校が用意されています。先生は、インターネット教室の仮想の学生になって研修を受けることができます。 

　地元のPromoticsの研修担当者が特定の国の６〜８人の先生からなるグループをいくつか編成します。各グループは、研修担当者と話しあったうえ研修を行うタイミングや課題の取組み方について取り決めます。先生（学生）は、自分の時間内にインターネット上のプログラムを実行し、電子メールで研修担当者に解決した課題を送信します。研修担当者は、先生が解決した課題を検討し、助言を与え、問題を処理するために定期的な連絡を行います。これは、テレビ会議やボイスリンク（例えば、Net Meetingやi-visit）のようなウェブ・ベースのシステム又は単に電話で行われます。 

Promoticsの作業方法 

　先生、学生、経営幹部、従業員は、世界のどこからでもPromoticsウェブサイトにアクセスし、無料でソフトウェアの限定版を試用することができます。完全なプログラムを使用するには、学校、組織または会社は、参加人員数および使用プログラム数に基づいて使用料を支払わなければなりません。 

Promoticsの操業開始時期 

　現在CD-ROM版が頒布され、内容チェックが行われており、バッグが除去された後に本格的なサービスが開始されることになっています。すべてが完了するにはまだ時間がかかりそうですが、オンラインサービスの開始は、本年末が予定されています。 

　すべてのPromoticsおよびTick-Tackソフトウェアは、ウィーン近郊のウィーナーノイシュタットにある技術高等学校（Technische Hochschule）のサーバーに格納されています。同校の技術部は、当初からPromoticsプロジェクトに参加し、ウェブサイトの管理を行っています。